平和の象徴ともされるハトですが、私たちの生活空間に増えすぎると様々な問題を引き起こす厄介な存在にもなり得ます。ベランダや軒先、太陽光パネルの下などにハトが居着いてしまうと、まず深刻なのが糞害です。ハトの糞は酸性が強く、建物の金属部分を腐食させたり、塗装を劣化させたりします。美観を損なうだけでなく、建物の寿命を縮める原因にもなるのです。さらに、糞には様々な病原菌や寄生虫が含まれている可能性があり、乾燥して空気中に飛散した糞を吸い込むことで、クリプトコッカス症や鳥インフルエンザといった感染症のリスクも高まります。特に小さなお子様や高齢者、免疫力が低下している方がいるご家庭では、健康被害への配慮が不可欠です。糞だけでなく、ハトの鳴き声や羽音も騒音問題となります。早朝から鳴き声が響いたり、多数のハトが羽ばたく音が続いたりすると、睡眠不足やストレスの原因にもなりかねません。また、ハトが巣を作ると、その材料となる小枝や、ハトの体に付着しているダニやノミなどが持ち込まれ、衛生環境の悪化を招きます。巣の撤去も容易ではありません。このように、ハト被害を放置することは、建物の資産価値の低下、健康リスクの増大、生活環境の悪化に直結します。しかし、ハトは鳥獣保護管理法によって保護されているため、許可なく捕獲したり殺傷したりすることは法律で禁じられています。そのため、対策は追い払いや侵入防止が基本となります。被害が軽微なうちであれば、市販の対策グッズで効果が見られることもありますが、ハトが執着してしまった場所や、被害が広範囲に及んでいる場合は、専門的な知識と技術が必要になります。ハト被害に気づいたら、早めに対策を検討し、必要であれば専門業者に相談することが、被害の拡大を防ぎ、安全で快適な生活環境を取り戻すための鍵となるのです。
ハト被害放置は危険その理由と対策の必要性